建物と機械の寿命と利益の関係

減価償却の方法も税務署に届出る必要がある

会社にある建物や機械などは、長年使用していると傷ついたり、古くなったりして価値が減少するものです。
そこで、減価償却をして、その償却費を経費にする必要が出てきます。
減価償却というのは、購入した建物や機械などの固定資産を、購入した時の価額のまますぐに費用として処理せずに、一定の計算方法で、その効用を発揮している期間(耐用年数期間)に少しずつ費用として処理する方法です。

減価償却できる資産は?

減価償却できる資産のことを減価償却資産というのですが、固定資産がすべてこの資産になる訳ではありません。
使用していない遊休資産や建設中の資産、時間の経過によって価値が減少しない土地、借地権、書画・骨董などの美術品は、減価償却資産から除かれています。
減価償却資産は、①有形減価償却資産、②無形減価償却資産、③生物に分かれます。いずれも年を経るごとに価値が減っていくものです。
なお減価償却資産でも、中小企業者等(資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人)が、取得価額が30万円未満のものを取得した場合は、事業の用に供した事業年度に、全額を費用として処理できます。
例えば期末に25万円のパソコンを購入したとし場合、25万円全額をその事業年度の経費として処理できるわけです。

減価償却の方法

減価償却の方法は4つありますが、通常は定額法と定率法が使われます。100万円の機械を10年間で償却する場合を考えてみます。

定額法
残存価額(取得価額の10%)を差し引いた90万円を10年間で均等に償却する。つまり、毎年9万円ずつ減価償却していきます。
定率法
帳簿価格に一定の償却率を乗じることで毎年の減価償却費を計算する方法。最初の年が最も多く、期間が経過するに従って償却費が少なくなっていきます。耐用年数10年は償却率0.25と決まっていますので、
1年目:100万円×0.25=25万円 2年目:(100万円-25万円)×0.25=18.75万円・・・・・ となります。

定率法でも定額法でも合計額は同じ

4年目あたりまでは定率法のほうが額が多くなりますが以後は定額法による償却額を下回り、どんどん少なくなっていきます。どちらを採用しても減価償却の合計額は同じですが、毎年の償却額が異なっているわけです。
特別なケースを除いて、一度選択した償却方法から別の償却方法へ変更することはできません。在庫の計算と同じで、一度決めた会社のルールは簡単に変更することはできないのです。