毎年期末になると、どこの会社でも納税に頭を悩ませます。会社としては節税したい、税務署は1円でも多く徴収したい。
では、どうすればよいか?当期利益が多くなれば法人税も多くなり、当期利益を少なくすれば法人税も少なくなります。こう考えると、納税額を少なくするためには次のような方法が考えられます。
しかし問題は、それぞれの方法をとったときに、企業としてどんな影響が出るか、ということです。
売上高を少なくするということは、企業活動の元手が減ることにもなります。したがって、税金を恐がって期末はモノを売らない-ということでは、何のために事業をしているのかわからなくなります。
要するに経費をたくさん使うわけです。たしかにこうすれば利益が減少して、税金は少なくなります。しかし、経費を使うということは、お金も使うということです。利益がでそうだらかといって、本来は必要でない仕入や経費のためにお金を使っていると、その数ヶ月後にその支払いに苦しみます。
これが最も手っ取り早い節税の方法です。しかし、これもなんでも減らせばいいというものではありません。例えば、よく売れている商品を処分してしまっては、将来の売上を放棄することになります。 あくまで「不良在庫を減らす」ことがポイントです。
期末に売れ残った在庫がたくさんあると、売上原価が小さくなって粗利益が増えます。利益が増えるのはいいことかもしれませんが、売れない在庫のために利益が増えたのでは、実体がありません。
一方で安売りして在庫は減っても売上は増えるのですから、納税額はあまり変わらないかもしれません。しかし、在庫で納税することはできません。
期末大売出しは、「在庫というモノが、売上というカネになった」ということなのです。
もし納税予定額が1億円だとして、期末に在庫2億円あったとします。
この在庫が売れ筋商品であれば数ヶ月のうちに販売して売上を納税資金に充てることもできます。
しかし、不良在庫であれば、半額で売って1億円の元気を作ったほうがずっとトクになるわけです。